歴代の卒業生や元教師らが一堂に集まった同窓会イベント=8月17日、福井県池田町の武生高校池田分校

武生高校池田分校の校章などが浮かび上がった4千個のキャンドルアート=8月17日、福井県池田町の同分校

 来年3月に閉校し71年の歴史に幕を閉じる福井県池田町の武生高校池田分校で8月17日、歴代の卒業生や元教師らを招いた“大同窓会”イベント「池分へいこう!71集年祭~よぅ来なったのぅ~」が開かれた。約4千個の手作りエコキャンドルを校舎から見下ろしたり、そばうち部の生徒が打った池田町名産のそばを味わったりしながら、参加者は閉校する母校で青春時代の思い出を語り合った。

 同分校は1948年に設立。これまで2091人の卒業生を送り出してきたが、生徒数減少により来年春、閉校することになった。池田町に恩返しをしようと、昨年末から在校生の3年生10人が閉校イベントを企画してきた。

 イベントには卒業生や元教師ら約130人のほか、大勢の町民が参加した。開会式の「全体会」では、同分校出身の杉本博文池田町長が「分校で友人と過ごした3年間の濃い時間は忘れがたい。閉校という節目を感じながら、今日は存分に楽しみましょう」とあいさつ。歴代の卒業生の集合写真をまとめたビデオを観賞した後、全員で校歌を斉唱した。

 昨年発足したそばうち部は、そば打ちを実演し、約300食を振る舞った。「こしがあっておいしい」と多くの人が舌鼓を打っていた。

 夜に開かれたエコキャンドルは、生徒が地元青年団員らと協力しながら約4千個を用意。淺沼洸人生徒会長のカウントダウンに合わせ生徒玄関前広場に並べられたキャンドルに在校生が着火、続いて参加者が火をともした。国の重要無形民俗文化財「水海の田楽能舞」をテーマにしたデザインや同分校の校章などが夜に浮かび上がった。多くの人が校舎3階からキャンドルアートを見下ろし、写真に収めたりしながら分校での思い出に浸っていた。

 愛知県から訪れた卒業生は「当時の先生にも会えて、本当にうれしかった。閉校は寂しいけれど、次の世代に分校の思い出をつなげていけたら」と話していた。在校生は「たくさんの卒業生が集まってくれて、分校の歴史を感じた。みんなのいい思い出になってくれたら」と話していた。

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