51歳の女性です。今年に入って毎朝寝起きに手がこわばるようになりました。動かしているうちに握れるようにはなりますが、一日中違和感があります。近くの病院で診てもらったところ「リウマチではない」と言われましたが、一向に良くならず心配です。どういった病気が考えられますか。(福井市、女性)

【お答えします】福井県済生会病院整形外科・岡山忠樹医長

 ■ばね指、手根管症候群などの可能性も

 手のこわばりと聞いて、一番に考えるのはリウマチですが、リウマチは否定されたということですので、リウマチではないという前提でお話をさせていただきます。

 その他考えられる疾患として、ばね指や手根管症候群、頚髄症、変形性手指関節症、膠原病、浮腫に伴うこわばり、拘縮などがあります。どの疾患もこわばりが特有の症状というわけではないですが、こわばりを伴うことがあります。一つ一つ説明していきます。

 まずばね指ですが、指を曲げる腱が炎症を起こすいわゆる腱鞘炎です。特徴として、指を曲げたり伸ばしたりするときにポキッと引っかかりが起きます。そして手のひら側の指の付け根を押すと痛みがあります。手根管症候群は手の付け根、手首付近で正中神経といわれる神経が圧迫されて手がしびれる病気です。朝に症状が強く出ます。神経伝道速度とよばれる検査をします。

 頚髄症は首で神経が圧迫されて手がこわばります。こちらも通常はしびれや痛みを伴うことが多く、頚椎のMRI検査が必要となります。変形性手指関節症は指の関節軟骨がすり減り、変形してしまう病気です。指の関節が太くなり、関節を押さえたり曲げ伸ばしたりすると痛みを伴います。レントゲンで診断がつきます。

 ■膠原病内科受診も選択肢

 膠原病(強皮症、混合性結合組織病、全身性エリテマトーデスなど)では、循環障害や多発関節炎などから手指がこわばることがあります。膠原病内科を受診する必要があります。浮腫に伴うこわばりは、手が腫れて(むくんで)指の動きが悪くなります。手の甲の部分が特に腫れ、指で押すとへっこみます。

 むくみの原因は心不全や腎臓の病気など内科的な問題が隠れていることがあります。拘縮はなんらかの原因で手指の曲げ伸ばしをあまりしていないと、関節が硬くなってしまうものです。

 単純にこわばりだけの場合は原因がはっきりせず、ストレスなどからきている場合も少なくないです。しかし症状が長く続く場合や、上記の症状などに心当たりがある場合、もう一度医師に相談されることをお勧めします。

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