東京パラリンピック出場を目指す伊藤竜也

 2020年東京パラリンピックを目指し、勤めていた病院を辞めた。競技歴わずか2年にして自らを追い込み、レースごとに自己記録を塗り替える。企業の支援を受ける車いす陸上の伊藤竜也(新日本工業)は、夢の表彰台へ着実に近づいている。

 17歳のときバイク事故で頸椎(けいつい)を損傷、車いす生活となった。パソコン教室などでスキルを学び、福井市内の総合病院に就職。30歳のころ、仕事の一環で訪れた県障がい者スポーツ大会で、転機が訪れた。

 「レーサー」と呼ばれる競技用車いすに乗り、前傾姿勢でトラックをぐんぐん加速するアテネパラリンピック金メダリストの高田稔浩さんと仲間の嶋田俊幸さん=ともに福井市=がいた。「ちょっとやってみないか」。2人から声を掛けられ50メートルほど走ってみると、面白さがこみ上げてきた。

 さらに高田さんからこう背中を押された。「君の障害区分は僕と同じ。頑張れば東京パラリンピックに行けるよ」

 世界で戦ってきた男の言葉に動かされ、競技を始めた。3カ月後に大分国際車いすマラソンのハーフに出走すると、クラス7位でゴール。「もっと練習すれば本当に(東京パラ五輪へ)出られるかもしれない」。自分の体に合う1台約100万円の新しいレーサーを注文した。

福井市
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