その後、全国車いす駅伝に初出場したが不本意な結果に終わり、競技に専念するため退職を決断。1年間無職で過ごし今年3月、東京の建設会社と契約した。
トレーニングに打ち込んだ結果、腕ががっしりと太くなり、今月10日の福井しあわせ元気大会プレ大会で自己ベストの100メートル18秒29をマークした。だが、パラ五輪の優勝タイムは16秒台後半。練習で出した17秒台中盤が最高で、さらなるパワーアップとテクニックが必要と感じている。
車いす陸上について「乗れば障害は関係ない。クラス分けで互角に競い合えるユニバーサルスポーツ」とし「落ち込んでいる中途障害者を勇気づけられたら」。精悍(せいかん)な顔つきで自分の役割を語った。
■伊藤竜也(いとう・たつや) 福井県大野市生まれ。交通事故後の2016年から競技を始め、17年から全国車いす駅伝に福井県チームの一員として出場。18年の愛知パラ陸上で100、200メートルともに2位。東京の建設会社「新日本工業」所属。173センチ、60キロ。福井市在住。32歳。
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逆境や苦難などを乗り越え、今秋の福井国体・全国障害者スポーツ大会(障スポ)に挑む福井のアスリートを紹介する。