世界選手権で優勝経験のあるトッププレーヤー。ネット際の巧みなボールさばき、基本に忠実な無駄のないフォームから繰り出すストロークは正確無比。絶対的エースはチーム福井の精神な支えでもある。勝負師は鋭い視線で「結果を出す」と力を込める。
父親がトップ実業団チームの監督、母親が中学生時代に全国優勝するなどソフトテニス一家に生まれ、9歳からラケットを握った。高校時代はインターハイ個人で準優勝。早稲田大4年時の世界選手権ではダブルスで金メダルを獲得した。
実業団でも数多くのタイトルを獲得。「勝ち続けてきた」が、福井県連盟関係者らから熱烈なラブコールを受けた。「勝って当たり前の恵まれた環境にいた。一からチームをつくり、この手で強くしたい」。ボールに変化を付けて相手を崩し、多彩な戦術で応戦するソフトテニスの妙味、そして一丸となって勝ち進む楽しさを求め、新天地に飛び込んだ。
本番まで2カ月。練習ではストイックにボールを打ち込み、追い込む。噴き出る汗をぬぐいながら「戦えるこまがそろった」。勝つためのペアリングを最終調整しており「誰と組んでも戦術が徹底でき、積極的に攻撃できる。ベストパフォーマンスを発揮できれば優勝は無理ではない」と自信を見せる。
「今は国体で頭がいっぱい」だが「福井のソフトテニス界に影響を与えることが、存在意義だと思う」。卓越した技術をジュニア層に継承し、底上げにも貢献する気構えだ。
■中本圭哉(なかもと・けいや)広島県出身。音戸高、早稲田大、NTT西日本広島を経て、16年春から福井南特別支援学校職員。11年世界選手権ダブルス金、団体銀。13年全日本シングルス優勝、14年仁川アジア大会団体銀など。身長173センチ、体重64キロ。28歳。