全国障害者スポーツ大会の知的障害者ソフトボールで準優勝に輝いた福井県チーム=10月15日、福井県越前市の武生東運動公園

 福井しあわせ元気大会(全国障害者スポーツ大会=障スポ)の知的障害者ソフトボールの決勝は10月15日、福井県越前市の武生東運動公園で行われ、初めて決勝に進んだ福井県は広島県と対戦した。福井は序盤に6点のリードを許したが、驚異の粘りで逆転に成功。9ー7の2点リードで迎えた広島最後の攻撃の五回裏に3点を奪われサヨナラ負けを喫したものの、堂々の準優勝に輝いた。障スポに向けて厳しい練習を積んできたメンバーは「勝ちきりたかった」と悔しさを見せたが、「また一からから頑張る」「次こそ、てっぺんを取る」と胸を張って銀メダルを掲げた。

 決勝は初回、抜群の制球力を誇る吉崎智彦投手が連続四球からランニングホームランを浴び、3点を先制されるなど、二回までで0ー6とリードされる思いがけない展開となった。

 諦めない福井は三回、満塁のチャンスを作ると堀田岳史選手のタイムリーを皮切りに一挙5点を奪取。四回は3点を加え、8―6と逆転に成功し、試合の流れを奪い返した。

 五回表、福井は1点を追加し、9ー7で最後の守備に就いた。勝利への重圧からか四球が続いたところを突かれサヨナラを喫し、あと一歩優勝には届かなかった。

 試合後、賞状と銀メダルを胸にした月田龍一主将は「最後まであきらめない戦いができた」と、胸を張った。村井哲夫選手も「もう一回、てっぺん目指して頑張ります」と話し、晴れ晴れとした表情。吉崎も「広島にリベンジしたい」と誓った。

 福井は、1991年に発足し今年で27年になる「ビッグドルフィンズ」で構成。月田主将や猪股由武監督は発足当時からのメンバーだ。障スポに向けて、冬も夏も季節を問わず毎週日曜に練習を積み重ね、今大会の準決勝で悲願の全国大会1勝を挙げ、決勝の舞台に立った。

 猪股監督は「強豪を相手に6点差を付けられても諦めず逆転するなんて、選手は本当にすごい。すばらしい。感謝しかない」と声を詰まらせた。今後の目標は「全国大会に常連として出場し、勝てるチームを目指す」と話し、「選手たちはやってくれる。絶対やってくれる」と、チームが刻む新たな歩みへ期待を膨らませた。

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