福井しあわせ元気国体の総合開会式に臨席される天皇、皇后両陛下=2018年9月29日、福井県福井市の9.98スタジアム

 宮内庁は1月1日、天皇陛下の御製5首を発表した。昨年9月に臨席された福井しあわせ元気国体について陛下は、悪天候の中で演技、演奏した出演者らをねぎらわれ「あらし迫る 開会前(まへ)の 競技場 福井の人ら 広がりをどる」と詠まれた。

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 天皇、皇后両陛下は昨年、福井国体開幕に合わせ9年ぶりに福井県を訪問。最後の国体ご臨席だった。3日間の滞在予定だったが、台風24号接近の影響で予定を繰り上げ1日早く帰京された。

 宮内庁によると、台風の影響で雨が降りしきる福井県福井市の9・98スタジアム(県営陸上競技場)において、開式前に県民が吹奏楽を演奏し、けなげに踊る様子をご覧になったときのことを詠まれたという。

 1日、天皇ご一家は、平成最後の新年を迎えられた。天皇陛下は4月30日に退位され、皇太子さまが5月1日に新天皇に即位される。退位による天皇代替わりは江戸時代の光格天皇以来、約200年ぶりで、秋には即位関連の儀式が続く。退位は憲政史上初めてで皇室にとって歴史的な1年となる。陛下と皇后さまは4月10日、結婚60年を迎えられる。

 天皇陛下は、これまで毎年担われてきた恒例の地方公務を昨年に全て終えられており、今後、退位までに地方を訪れて国民と触れ合う機会があるのは、3月26日の奈良県橿原市の神武天皇陵や、4月18日の三重県伊勢市の伊勢神宮を訪れる際などに限られる。

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