ムスカ大佐のサングラス(左)と、パズーのゴーグルをイメージした眼鏡フレーム(ⓒ1986 Studio Ghibli)

 スタジオジブリの人気アニメ作品「天空の城ラピュタ」の登場人物のサングラスとゴーグルが、福井県の鯖江の技術で眼鏡として再現され話題を呼んでいる。アニメと地域産業のコラボを展開するインターネット通販サイト「東京戯画ショップ」のオリジナル商品で、担当者は「サイトでは鯖江の眼鏡作りの現場も紹介している。産地との連携を通じて、ものづくりの魅力を伝えていければ」と話している。同サイトで7月21日まで予約注文を受け付けている。

 商品化したのは、主人公の少年パズー愛用のゴーグルをアレンジした眼鏡フレームと、敵役であるムスカ大佐のサングラス。東京戯画を運営するパジー・エンタテインメント(東京)が企画し、福井県鯖江市のエクセル眼鏡(佐々木英二社長)がデザインと製造を担った。

 パジー・エンタテインメントの後藤圭介社長は「スタッフ一同ラピュタのファンで、コラボ商品を検討する中で『鯖江の眼鏡』というアイデアが浮かんだ」と話し、1年ほど前からジブリと打ち合わせを進めてきた。パジー社の担当者が以前、一緒に仕事をした縁でエクセル眼鏡に話を持ちかけた。

 デザインの作業は昨秋スタート。大のジブリファンというエクセル眼鏡の女性デザイナー2人が、映像を基に再現した。「すごくテンションが上がった」と話す青木竹美さん(37)は「ムスカは紳士だけど気難しい感じ。でも、おしゃれ」。一見シンプルだが、フレームの縁の厚みに強弱を付けるなどしてイメージを立体化した。

 パズーのゴーグルは、厚みや量感を眼鏡の形にするのに一苦労。ブリッジ部分をなくしてフレームを一体化し、ゴーグルのバンドに当たるテンプル(つる)は太く直線的なラインに。荒谷明日香さん(24)は「メッキによる色の再現が難しかったけれど、だいぶ近づいたと思う」と手応えを感じている。

 いずれのフレームも近視用などのレンズに交換可能。価格はムスカ大佐のサングラスが税別2万7500円、パズーの眼鏡が同3万2千円。

 通販サイトには、鯖江市が提供した眼鏡製造工程を紹介する画像も掲載し、コラボ商品の魅力を深掘りしている。後藤社長は「鯖江の漆にも興味がある。地域の産業にこだわって、商品の良さと作品の良さがはまる企画を打ち出したい」と、新たな展開を思い描いている。

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