福井地裁=福井県福井市

 福井県高浜町の国道27号で2019年1月に発生した死亡事故で、酒酔い運転して対向車の男性を死亡させたとして自動車運転処罰法違反(危険運転致死)の罪に問われた被告の男(20)=事故当時(19)=の初公判が8月28日、福井地方裁判所(西谷大吾裁判官)で開かれた。検察側は冒頭陳述で「未成年だった被告が飲酒後、時速113キロで乗用車を運転して事故を起こした」と指摘。被告は事故を起こしたことを認めた上で「当時のことは全く覚えていない」とした。

 弁護側も「当時は高度の酩酊状態で、正常な運転ができない状態であることを認識していなかった」と述べ、危険運転致死罪の構成要件の一つ「故意性」を否定した。

 検察側は冒頭陳述などで、被告が事故前日の午後7時ごろから自宅でビールを、さらに飲食店数軒でビールやテキーラなどを飲んで事故当日の午前2時ごろに帰宅。一度就寝した後、乗用車を運転していたことを明らかにした。また、縁石に何度かぶつかって対向車線にはみ出して事故を起こしたとした上で「事故の約5時間半後に呼気1リットル当たり0・28ミリグラムのアルコールを検出した」と指摘した。

 起訴状などによると、2019年1月9日午前5時50分ごろ、酒に酔った状態で高浜町の国道27号で乗用車を運転。対向車線にはみ出し軽トラックと衝突、運転していた男性=当時(64)=を死亡させたとされる。

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