「福井しあわせ元気国体2018」の総合閉会式。手前は入場行進する福井県選手団=10月9日、福井市の福井県営陸上競技場

 9、10月に開催された福井しあわせ元気国体・大会(全国障害者スポーツ大会=障スポ)で福井県は11月30日、県内の経済波及効果が600億円以上になるとの推計を明らかにした。県と市町が支出した費用の約1・34倍に当たる。県は「実体経済として把握しているわけではないが、建設業や宿泊、飲食店、運送業など地元に与えた影響は大きい」と分析している。

 同日の県議会本会議で、田中宏典議員(県会自民党)と辻一憲議員(民主・みらい)の代表質問に対し西川一誠知事が答えた。

 西川知事は「(天皇杯と皇后杯を獲得した)完全優勝、大会運営の成功は県民の自信と誇りにつながった」と成果を強調。経済効果について「ハード面の投資、参加者の宿泊、土産品などを想定すると、波及効果は600億円を超えると推計される」と述べた。

 県国体推進局によると、開催が内々定した後の2011~18年度の8年間に、県と市町が支出した施設整備や大会運営費用は計約460億円に上った。さらに大会期間中、県外の選手団や観覧者ら延べ16万~17万人が宿泊したと推定、土産品代などを含め約50億円の消費を見積もった。

 その上で県内産業に及ぼした影響を、県と市町の支出に対し544億円、それ以外の消費に対し71億円と試算。計615億円の経済波及効果があったと推計した。

 国体・障スポの融合については、西川知事は「高校生や社会人チームが(障スポの)練習に参加したほか、多くの県民が(障スポの)選手に声援を送るなど新たな交流も生まれた。障害の有無にかかわらず、全ての人がスポーツを楽しめると実感できた」と評価。「政策を総合的に実践し、老若男女全ての県民が幸せに暮らせる共生社会の実現につなげる」と意欲を示した。

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